平日の夜のジムで、ベンチプレス台に寝たままバーを握る位置を何度も直している人を見かけます。
「手幅ってどこを握るのが正解?」
という迷いは、初心者なら誰もが一度は通る道です。
実はベンチプレスの手幅には、81cmラインという分かりやすい基準があります。
手幅が変わると効く部位も変わりますし、合わない幅で続けると手首や肩の痛みにつながることも…
この記事では初心者の方に向けて、自分に合うグリップ幅の決め方を整理していきます。
81cmラインが手幅の基準

まずは81cmラインの正体と、自分に合う手幅の見つけ方を見ていきます。
81cmラインとは
バーベルのシャフトをよく見ると、左右対称の位置に細い溝の輪が刻まれています。
この2本の輪の間隔がちょうど81cmで、通称81cmラインと呼ばれるものです。
パワーリフティングの競技ルールでは、人差し指がこのラインを越えて握ってはいけない、という決まりがあります。
つまり81cmラインはベンチプレスで許される最大の手幅を示す目印というわけですね。
左右で同じ位置を握るための基準にもなるので、初心者こそ活用したい印です。
標準は肩幅の1.5倍前後
一般的に標準とされる手幅は、肩幅の1.5倍前後です。
バーを胸まで下ろしたとき、前腕が床に対してほぼ垂直になる幅と言い換えることもできます。
体格にもよりますが、81cmラインに人差し指や中指がかかるあたりで握る人が多い印象です。
しかし全員に当てはまる唯一の正解はないので、腕の長さも胸郭の厚みを考慮して、基準から微調整していく発想が大切です。
合う幅を見つける手順
おすすめは20kgのシャフトだけを使ったチェックです。
まず81cmラインに人差し指を合わせて、10回挙げてみます。
次に指1本分ずつ内側にずらして、同じ回数を試してみましょう。
胸に一番効いて、手首と肩に違和感が出ない幅があなたの基準になります。
見つけた位置はラインから指何本分と覚えておくと、毎回同じ手幅を再現できますよ。
手幅で変わる効く部位

ここではワイドとナローで効く部位の違いを整理します。
手幅選びは自転車のサドル調整に似ていて、数cmの違いで力の伝わり方が大きく変わります。
ワイドは大胸筋メイン
81cmラインいっぱいに近いワイドグリップは、大胸筋への刺激が強くなる握り方です。
バーの移動距離が短くなり、高重量を扱いやすいのも特徴でしょう。
ただし肩関節への負担は、その分だけ大きくなります。
肩の柔軟性に自信がないうちは、いきなり最大幅を選ばない方が安全です。
ナローは上腕三頭筋
肩幅程度まで狭めたナローグリップでは、上腕三頭筋と大胸筋の内側が主役になります。
腕を太くしたい人には効果的ですが、移動距離が長くなるぶん扱える重量は下がりがちです。
さらに手首が内側にひねられやすい点にも、注意が必要ですね。
目的別にまとめると次の通りです。
- 胸全体を大きくしたい → 標準〜やや広め
- 腕を太くしたい → ナロー
- 迷ったら → まず標準からスタート
自分に合う手幅が見つかったときの挙げ心地は、マジで変わります。
ひとことアドバイス
どちらが優れているかではなく、目的で選ぶのがコツです。
今日の狙いに合わせて手幅を使い分けてみてください。
手首と肩を痛めない注意点

最後に手首と肩を守るための注意点をお伝えします。
手首を寝かせない
バーは指の付け根ではなく、手のひらの下側で受けるように握ります。
手首が甲側に折れた状態で高重量を受けると、痛みの原因になりやすいためです。
横から見たとき、バーと前腕の骨が一直線になるのが理想の形ですね。
肩甲骨を寄せて下げる
ベンチに寝たら、肩甲骨を軽く寄せて下げてからバーを握りましょう。
肩がすくんだままだと、どの手幅を選んでも肩の前側に負担が集中します。
胸を張った土台を作ってから手幅を合わせる、この順番を守ってくださいね。
痛みは重量より優先
初心者のうちは
「少し痛いけど続けよう」
と我慢してしまいがちです。
とはいえ痛みは手幅やフォームが合っていないサインです。
重量を2割ほど下げて、握る位置と肩の位置を確認し直しましょう。
それでも違和感が続くなら、その日は無理をせず別の種目に切り替える判断も必要でしょう。
今日からできること

ベンチプレスの手幅は81cmラインを基準にすれば迷いません。
標準から始めて、目的と体の声に合わせて少しずつ調整していきましょう。
- 次のトレーニングで81cmラインの位置を確認する
- シャフトだけで手幅を3パターン試してみる
- 自分の位置をラインから指何本分と記録する
ひとことアドバイス
手幅が決まると毎回のフォームが安定してきます。
焦らず自分の基準を育てていきましょう。
ぜひ次のトレーニングで、シャフトのラインを眺めるところから始めてみてください。