はじめに
筋トレをする際、多くの方が「筋肉を大きくすること」「力をつけること」に注目すると思います。
しかし、トレーニング効果を最大限に引き出すためには、「神経系の発達」が重要であることをご存知でしょうか?
神経系の発達は単に筋肉を鍛えるだけでなく、より効率的に力を発揮し、運動パフォーマンスを向上させる鍵となります。
この記事では、神経発達の重要性やそのメリット、効果的なトレーニング方法について解説していきます!
神経発達とは?
神経発達とは、脳と筋肉をつなぐ神経系が強化され、運動の精度や強度、力の発揮能力が向上することを指します。
これは、「神経筋調和」とも呼ばれ、神経伝達の効率が上がることで、身体をよりスムーズに、そしてパワフルに動かせるようになります。
神経系の伝達には、主に次の要素が関与します。
- 神経系の適応:筋肉を動かすための信号がスムーズに伝わる
- シナプスの強化:神経細胞間の情報伝達が早くなる
- 協調性の向上:複数の筋肉がより効率的に連携する
- リアクション速度の向上:素早く反応できる能力が高まる
このように神経系が発達すると、単なる筋力アップでは得られない運動能力の向上が期待できます。
神経を発達させるとどうなる?メリットは?
神経発達を促すことで得られるメリットはたくさんあります。
力の発揮が向上する
神経系が発達すると、筋肉をより効率的に動員できるようになります。
これは「神経筋動員能力」と呼ばれ、同じ筋力でもより大きな力を発揮できるようになります。俊敏性やバランスが向上する
神経伝達がスムーズになると、素早い動きやバランスを保つ能力が向上します。
スポーツにおいては、瞬発力や細かい動きの調整がしやすくなります。ケガのリスクが減る
神経発達により、無駄な力を使わずに正確な動作ができるようになるため、関節や筋肉への負担が軽減され、ケガのリスクが低くなります。
筋トレの効果が向上する
神経が発達することで、より多くの筋繊維を活性化できるため、トレーニングの効果が高まります。
特に初心者が最初に成長するのは神経適応によるものであり、筋肥大だけでなくこのプロセスが重要です。日常生活の動作がスムーズになる
神経系の発達は、スポーツやトレーニングだけでなく、日常の動作のスムーズさにも影響します。
歩行や階段の上り下り、物を持ち上げるといった動作がスムーズになり、疲れにくくなります。
あれは筋肉が鍛えられていると同時に、神経をも発達しているからなせる技でもあります!
神経発達のデメリットはある?
神経系の発達には多くのメリットがありますが、過度なトレーニングや不適切な方法によって、いくつかのデメリットが生じる可能性もあります。
過度な神経疲労
神経系は筋肉と同様に疲労します。過度な高重量トレーニングや神経を酷使するトレーニングを頻繁に行うと、集中力の低下やパフォーマンスの低下につながることがあります。
オーバートレーニングのリスク
神経系の発達を意識しすぎてトレーニング量を増やしすぎると、オーバートレーニング症候群を引き起こす可能性があります。
これにより、回復が追いつかず、逆にパフォーマンスが低下してしまうことがあります。特定の動作に偏るリスク
特定の動作や競技に特化した神経系の発達を優先しすぎると、他の動作や運動能力のバランスが崩れることがあります。
例えば、爆発的な動作に特化しすぎると、持久力や柔軟性が犠牲になることがあります。
神経発達におすすめなトレーニング方法
神経発達を促進するためには、以下のようなトレーニングが効果的です。
1. 高重量・低回数トレーニング
- 方法:1RM(最大重量)の80%以上を使用し、3~5回の低回数でトレーニング
- 種目例:スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、オーバーヘッドプレス
- ポイント:ゆっくりとした動作ではなく、爆発的に力を発揮することを意識する
2. プライオメトリクストレーニング(瞬発力を鍛える)
- 方法:低重量または自重で、素早く力を発揮するトレーニング
- 種目例:ボックスジャンプ(10回×3セット)、メディシンボールスロー、バーピー、クリーンやスナッチ
- ポイント:できるだけ素早く動くことで神経系の反応を高める
3. 片足・片手トレーニング
- 方法:片手・片足で不安定な状態を作り、バランスを取りながら行う
- 種目例:片足スクワット(ピストルスクワット)、片手ダンベルプレス、片足デッドリフト
- ポイント:フォームを崩さず、ゆっくりコントロールしながら行う
4. 反応速度を高めるトレーニング
- 方法:速い動作を意識して行う
- 種目例:スピードラダー(30秒×3セット)、シャトルラン、サイドステップ、ローテーション系の動作
- ポイント:瞬時に動くことを意識し、素早く切り返す
おわりに
神経系の発達は、筋トレの成果を最大化し、日常生活やスポーツのパフォーマンス向上にもつながります。
単に筋肉を鍛えるだけでなく、神経系の働きを意識したトレーニングを取り入れることで、より効率的な体の使い方が可能になります。
ぜひ今回紹介したトレーニング方法を試して、神経発達を促し、より高いパフォーマンスを目指しましょう!