背中のトレーニングでより効率的に効かせるために重要なことは、単にバーを引くだけではなく、「バーの握り方」も意識して行うことです。
背中のトレーニングでは特に、「バーの握り方」を変えるだけでトーゲットとなる筋肉や得られる効果が変わってきます。
この記事では、背中トレーニングにおけるバーの様々な握り方や、それぞれの握り方で鍛えられる筋肉、トレーニングや目的に合わせた使い分けを解説していきます!
背中トレはグリップの仕方で効果が変わる
バーの握り方
1. 順手(オーバーハンドグリップ)
手の甲が上や体側(手前)を向くように握る基本的な握り方です。
懸垂やラットプルダウンなどで一般的に使われます。
鍛えられる主な筋肉(懸垂・ラットプルダウンの場合):
- 広背筋の上部、外側(背中の広がり)
- 僧帽筋(中部、下部)
- 三角筋(後部)
効果:肘が体の外側に開きやすくなるため、広背筋を大きくストレッチさせ、収縮時に背中の広がり(Vシェイプ)を作るのに効果的です。
2. 逆手(アンダーハンドグリップ)
手のひらが上や体側(手前)を向くように握る方法です。
チンニング(逆手懸垂)やリバースグリップラットプルダウンなどで使われます。
鍛えられる主な筋肉:(チンニング(逆手懸垂)やリバースグリップラットプルダウンの場合)
- 広背筋の下部、内側(背中の厚み)
- 上腕二頭筋
- 大円筋
効果:肘が体に近い位置を通るため、広背筋を深く収縮させやすく、背中の下部や内側の厚みを出すのに適しています。上腕二頭筋への関与が大きくなるため、腕の力に頼りすぎないよう意識が必要です。
3. パラレルグリップ(ニュートラルグリップ/ハンマーグリップ)
手のひらが向かい合うように握る方法です。
専用のアタッチメント(Vバーなど)を使用します。
鍛えられる主な筋肉:
- 広背筋全体
- 僧帽筋(中部、下部)、菱形筋(背中の中央の厚み)
- 上腕二頭筋
効果:順手と逆手の中間のような特性を持ち、広背筋全体にバランスよく刺激が入ります。肘や肩関節への負担が比較的少ないため、関節に不安がある方にもおすすめです。背中の中央の厚みを出すのに非常に効果的です。
4. サムレスグリップ(親指を回さない握り方)
親指をバーに回さず、他の4本の指と同じ側に添える握り方です。
バーにフックをかけるように握ります。
鍛えられる主な筋肉:
- 特定の筋肉を直接鍛えるというより、背中全体の筋肉への意識を高めるのに役立ちます。
効果:親指でバーを強く握り込まないことで、前腕(握力)の疲労を軽減し、腕の力に頼るのを防ぎます。結果として、背中の筋肉で引く感覚(背中の収縮感)をより強く意識しやすくなります。
バーを握る幅
1. ワイドグリップ(広め)
肩幅よりもかなり広く握る方法です。
鍛えられる主な筋肉:
- 広背筋の外側(背中の広がり)
効果:広背筋を最大にストレッチさせ、広がりを出すのに特化しています。Vシェイプの形成に欠かせません。
2. ナローグリップ(狭め)
肩幅かそれよりも狭く握る方法です。
鍛えられる主な筋肉:
- 広背筋の下部、内側(背中の厚み)
- 上腕二頭筋
効果:肘が体の近くを通るため、広背筋の深い収縮を促し、背中の厚みを出すのに効果的です。特に逆手と組み合わせると、背中下部への刺激が強まります。
肘で引くイメージで行うと感覚が掴みやすいかもしれません!
3. ミディアムグリップ(肩幅程度)
肩幅か、肩幅よりやや広めくらいで握る方法です。
鍛えられる主な筋肉:
- 広背筋全体にバランスよく
効果:特定の部位に偏らず、広背筋全体に均等な刺激を与えることができます。背中トレの基本となる握り幅です。
使い分け
背中の広がりを出したい、厚みをつけてたくましくなりたい、などの目標に合わせてグリップ選びをしましょう。
背中の「Vシェイプ(広がり)」を狙う場合:
順手ワイドグリップのラットプルダウンや懸垂が最も効果的です。
背中の「厚み」をつけたい場合:
- 逆手ナローグリップのラットプルダウンやチンニング。
- パラレルグリップのローイング系(シーテッドロー、Tバーローなど)が非常に有効です。
上腕二頭筋への関与を減らし、背中をより意識したい場合:
サムレスグリップを試してみましょう。
握力に頼らず、背中の筋肉で引く感覚をつかみやすくなります。
ただし、安全のため慣れてから行うか、ストラップを併用しましょう。
肩や肘への負担を軽減したい場合:
- パラレルグリップは、関節へのストレスが比較的少ないためおすすめです。
- ローイング系種目では、肘を体側に引きつける意識を持つと、肩への負担を軽減できます。
初心者が意識すること
筋トレ初心者の方は、まず以下の点を意識して取り組んでみましょう。
基本のフォーム習得が最優先:
まずはミディアムグリップの順手から始め、無理のない重量で正しいフォームを身につけることが重要です。
フォームが崩れると、狙った筋肉に効かせられないだけでなく、怪我のリスクも高まります。
「引く」感覚よりも「背中を収縮させる」感覚を意識:
腕の力でバーを引くのではなく、背中の筋肉(肩甲骨)を寄せる、下げる、広げる、といった「背中の筋肉で動かす」感覚を意識しましょう。
サムレスグリップを試す:
握力を介さずに背中の筋肉を意識しやすいため、比較的早い段階で試してみるのも良いでしょう。ただし、安全に注意し、軽い重量から始めてください。
鏡でフォームを確認する:
マシンの場合は鏡で自分のフォームを確認し、肩が上がっていないか、背中が丸まっていないかなどをチェックしましょう。
少しずつバリエーションを試す:
基本のフォームが安定したら、徐々に他のグリップや幅も試してみて、それぞれの刺激の違いを体感することが大切です。
Q. マシンでも一緒?
A. はい、マシントレーニングでもグリップの原則は基本的に同じです。
ラットプルダウンやシーテッドローなど、背中を鍛える多くのマシンには、様々な形状のバーやハンドルが用意されており、グリップの握り方(順手、逆手、パラレル)や幅(ワイド、ナロー)を変えることができます。
マシンの利点:
- 軌道が安定しているため、フォームを習得しやすく、特定の筋肉に集中しやすい。
- 安全性が高く、初心者でも比較的安心して高重量に挑戦しやすい。
マシンだからといってグリップを意識しなくていいわけではありません。
マシンの安定性を活かしつつ、グリップを使い分けることで、フリーウェイトと同様に背中の各部位を効率的に鍛えることができます。
まとめ
背中のトレーニング効果を最大限に引き出すためには、バーの「握り方(手のひらの向きと親指の位置)」と「幅」を意識して使い分けることが非常に重要です。
- 順手・ワイドグリップで背中の広がり(Vシェイプ)を。
- 逆手・ナローグリップやパラレルグリップで背中の厚みを。
- サムレスグリップで、背中への意識を高める。
あなたのトレーニング目的や理想の体型に合わせて、様々なグリップを試してみてください。
そして、常に「どこに効かせているか」を意識し、フォームを丁寧に追求することが、理想の背中を手に入れるための近道となるでしょう。
継続は力なり。
今日のトレーニングから、ぜひ新しいグリップを試して、背中の変化を体感してください!