「もっとガッチリした体になりたい」「細い体型を変えたい」──そんな思いから筋トレを始めた人も多いのではないでしょうか?
この記事では、健康的かつ効率的に筋肉を増やす“増量”の方法と、失敗しないための注意点をわかりやすく解説します。
筆者も元々は細身の体型にコンプレックスがあり、トレーニングを通して変化を目指してきました。
体重を減らすダイエットと同じように、「体重を増やしたい」というニーズも確実に存在します。
筋トレ初心者から大会出場を目指す上級者まで、あらゆるレベルの方に向けて、「正しい増量の知識」をまとめました。
増量とは|単なる体重増加ではない
筋トレにおける増量とは、単に体重を増やすことではありません。
増量の先にある、体型作りや筋肉量の増加のために、筋肉を中心に増やしていくことが目的です。
ただ体重を増やすだけでは脂肪ばかり増えてしまい、見た目や健康の面で逆効果になることがほとんどです。
正しい増量は、「筋肉を効率よく増やすための攻めのフェーズ」です。
①増量は必要か|自分の目標と体型を見極める
筋トレをしている誰もが必ずしも増量が必要かというと、決してそんなことはありません。
「筋肉をつけて大きくなりたい!」「増量してベンチプレスの記録を伸ばしたい!」などの目標がある人は増量を始めてみると良いでしょう。
ただし、すでに体脂肪率が高めの人は、先に減量をしてから増量した方が効率が良い場合があります。
今の体型と目標を照らし合わせて、増量が必要か判断しましょう!
②増量のメカニズム
増量(筋肉を増やす)ためには、摂取カロリーが消費カロリーを上回る「カロリーオーバー」の状態を作り出す必要があります。
体は余ったエネルギーを使って筋肉や脂肪を合成します。
ここで重要なのは、タンパク質・炭水化物・脂質のバランスを取りながら、適度なカロリーオーバーを作り出し、継続することです。
③増量の種類
増量の種類はよく、増量を意味する英語“bulk up(バルクアップ)”の文字で表されます。
|ダーティバルク【難易度:低】
とにかく体重を増やすことを最優先とする増量方法で、「dirty(汚い、不純)」という言葉が示すように、食事内容にはあまりこだわらず、高カロリーな食品を積極的に摂取します。
ジャンクフードや加工食品など、カロリーを稼ぐことを重視します。
<メリット>
- 短期間で体重を大幅に増やしやすい
- 食事制限が少ないため、ストレスが少ない
<デメリット>
- 体脂肪がつきやすく、増量後の減量が難しくなる可能性が高い
- 不健康な食生活になりやすく、体調を崩すリスクがある
|クリーンバルク【難易度:中】
ある程度の体脂肪の増加は許容しつつも、極力最小限に抑えることを目指す増量方法です。
高タンパク質、炭水化物、健康的な脂質を中心に、栄養バランスの取れた食事を摂取します。
ダーティバルクほど厳格ではありませんが、加工食品や過度な高脂肪・高糖質な食品は避ける傾向があります。
<メリット>
- リーンバルクよりも体重増加のスピードが期待できる
- ダーティバルクほど体脂肪がつきすぎず、増量後の減量が比較的容易になる可能性も
<デメリット>
- リーンバルクほど厳密な体脂肪コントロールは難しくなる
|リーンバルク【難易度:高】
筋肉量の増加を最優先として、体脂肪の増加を極力最小限に抑えながら、ゆっくりと体重を増やしていく増量方法です。
「Lean(無駄のない、引き締まった)」という言葉が示すように、体脂肪を増やしたくないボディメイク志向の方に向いています。
高タンパク質、複合炭水化物、健康的な脂質を中心に、厳密なカロリー管理を行い、質の高い食品を選びます。
<メリット>
- 体脂肪の増加を最小限に抑えながら筋肉量を増やせるため、増量後の減量幅が小さく済む
- 体型を維持しやすい
<デメリット>
- 体重増加、筋肉増加のスピードは非常に緩やかになる
- 非常に厳格な食事管理とカロリー計算が必要となるため、難易度が高い
日頃からクリーンバルクを続け、たまにダーティバルクの要素を織り込むとストレスの少ない増量が見込めます!
増量期の基本戦略
増量の基本ルールは以下になります。
【増量の基本ルール】
- 1日あたりの摂取カロリーを、基礎代謝+活動量に加えて300〜500kcal増やす。
- 無理のない範囲で食事回数を増やす(1日4〜6食)。
- 週1回は体重や体脂肪率をチェックし、脂肪が増えすぎていないか確認。
- 2〜3ヶ月かけて行う。
①準備と現状把握
まずは今の体の状態を知ることから始めましょう。
少々めんどくさいと思われるかもしれませんが、確実に増量を成功させるために、できれば取り組みましょう。
- 体重、体脂肪率、筋肉量を記録
- 普段の食事内容をアプリ(例:MyFitnessPal)などで記録
- 基礎代謝と1日の総消費カロリーを計算し、増量に必要なカロリーを把握
フィットネスジムや公共のスポーツ施設、一部のドラッグストアで測定できるようなので見つけて利用しましょう!
ハリスベネディクトの式を使えば、基礎代謝などを算出することができます。
②増量を成功させる食事
増量における食事のコツは「質と量の両立」です。
筋肥大に適した食事を、1日を通してこまめに摂ることを意識しましょう。
- タンパク質:鶏むね肉、魚、卵、プロテインなど
- 炭水化物:白米、オートミール、さつまいもなどエネルギー源になる食材を中心に
- 脂質:ナッツ、オリーブオイル、アボカドなどの良質な脂質を適量
- 間食:プロテインバーやギリシャヨーグルトなどを活用
③増量を成功させるトレーニング
筆者の考えでは、基本的に増量だからといって行う種目を変える必要はないと考えています。
どんな種目もきちんと追い込んで行うことができれば、自分がやりたい種目を優先するのがいいでしょう。
筋肉を効率よく増やすには、筋肥大に特化したトレーニング方法が必要です。
【筋肥大に向けたトレーニング方法(参考)】
- ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどのコンパウンド種目を中心に
- 1セット6〜12回を限界まで行う「中回数・高負荷」で筋肉に刺激を
- 筋トレは週3〜5回を目安に、部位ごとに分けて実施
④増量を成功させる休養
筋肉はトレーニング中ではなく、休んでいる時に成長します。
増量・筋肥大のためには、トレーニングと同じくらい休養にも気を配りましょう。
【休養の基本】
- 睡眠は1日7〜8時間が理想
- オフ日には軽いストレッチやマッサージ、入浴などで体をリカバリー
- 過度な疲労や睡眠不足は筋肉の成長を妨げる
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休養について詳しく解説した記事はこちら!
増量する際の注意点
①急なカロリーアップは避ける
いきなり急激に食事量を増やすと、内臓に負担がかかったり、脂肪ばかり増える可能性があります。
無理せず、少しづつカロリーを増やしていきましょう。
②定期的な体組成計測定
週に1回は体脂肪率・筋肉量を測定し、バランス良く増えているかを確認しましょう。
体重が増えていても脂肪ばかりなら、食事内容や運動を調整する必要があります。
③有酸素運動も取り入れる
軽いジョギングやウォーキングを週に1〜2回取り入れることで、脂肪の蓄積を防ぎ、健康的に増量ができます。
よくある増量の失敗と対策
失敗例 | 対策 |
---|---|
脂肪ばかり増えてしまった | 摂取カロリーや脂質を見直し、有酸素運動を追加 |
食欲が続かず食べられない | 食事回数を増やす、消化の良い食品を選ぶ |
体重が全然増えない | カロリーが不足している可能性が高い。+300〜500kcalを目安に調整 |
トレーニングが適当になってしまう | 目標と記録をしっかり管理し、モチベーションを維持 |
増量におすすめのサプリメント
増量時に役立つサプリメントはいくつかありますが、中でも特に試してほしいのがプロテインとマルトデキストリンです。
中でも、私が特におすすめしたいのがプロテインとマルトデキストリンです。
プロテイン: 筋肉の材料となるタンパク質を、手軽にチャージ!
味は無難にミルクチョコレートがおすすめ。
さらに、筋力アップをサポートするクレアチンもおすすめです。
まずはこれらのサプリメントを活用して、食事とトレーニングをしっかり頑張りましょう!
まとめ
増量は、ただ食べて太ることではなく、計画的に筋肉を増やすための重要なプロセスです。
初心者の方は、焦らず少しずつステップを踏むことが成功への鍵となります。